不動産取引における心理的瑕疵に関するガイドライン(案)【国土交通省発表】

「知らぬが仏」「聞くは気の毒、見るは目の毒」
そんな言葉もありますが、個人的には何事も
知って損はないだろうと思っている牧野です。

今日は不動産に携わる者として気になった話を!

少し前の話になりますが、今年の5月頃に

・不動産取引における心理的瑕疵に関するガイドライン(案)
・ガイドラインの方向性

が国土交通省から公表されました。
※既に意見公募期間は終了しており、
夏頃を目途に発表される様です。

ガイドライン(案)の内容を簡単に整理すると

【対象不動産】
居住用不動産

【告知事項】
(1)殺人、自殺、事故死その他原因が明らかでない死亡が発生した場合
(2)自然死があった場合には、長期間放置されたこと等に伴い、特殊清掃等が行われた場合

【告知しなくてもよい事項】
自然死が発生した場合
※上記(2)の通り告知が必要な場合あり

【告知すべき内容と範囲】

告知すべき内容と範囲
賃貸 ・事案の発生時期、場所及び死因
(不明である場合にはその旨)について。
・事案の発生時期、場所及び死因については、
調査において貸主・管理業者から聴取した内容をそのまま告知。
売買 ・過去に、殺人、自殺、事故死その他原因が
明らかでない死亡が発生している場合には、
事案の発生時期、場所及び死因(不明である場合にはその旨)
について、告知を要する。

 

【告知すべき期間】

告知すべき期間
賃貸 概ね3年間
売買 調査を通じて判明した範囲で、
経過した期間によらず告知を要する。

 

ちなみに隣接住戸や前面道路等は
ガイドラインの対象外ですが、
集合住宅(マンション)の取引では専有部分だけでなく
日常的に使用する共用部分等、
住み心地にも影響すると考えられる場所についても
対象となるみたいです。

個人的には、ガイドライン(案)賃貸物件の告知期間の
3年って『短っ!!』て思いました。
売買物件の告知期間は裁判の判例も色々と出ているので、
もう少し具体的な指針があるとお客様に
説明がし易いのに…という感想です。

具体的な指針が無い事でバラつき?と言うと語弊かもしれませんが、
不動産会社により告知をするしないの判断基準にも
差があるなと感じていました。
これは賃貸・売買ともにですが、
自分が取引に関わった案件でもそういった話が後から出てきて、
衝撃を受けた事もありました。

特に孤独死に関しては近年珍しくない案件になっており、
亡くなられてから発見が短いと告知事項ではないと
不動産会社が判断するケースが多いです。
今回のガイドラインでも告知不要との位置づけです。

ただ、借主様や買主様はその事実を知っておきたいと
思うのが普通だと思います。
知ったうえで検討するかどうかは人それぞれだと思うので、
当社では今後も今までと変わりなく、知り得た情報であれば、
ガイドラインで告知不要となっていても告知していきます。

これまで多くの物件をご紹介してきた中で、
時が経っていようがいまいが過去にそういった事故の報告を
聞いたまたは知っていた物件に関しては、
紹介する前に必ずお客様にお伝えしてました。

特に賃貸物件の告知期間3年って短いと思うので、
ガイドラインに囚われることなく、
地域密着の不動産会社だからこそ知り得ている過去の情報を
今後もお客様に伝えていこうと思います。

今回のガイドライン(案)は不動産会社のみならず、
これから購入や住み替えをお考えの方にも
是非とも周知して頂ければ幸いです!